値引きで『得』して『損』をする!?
最近は、塗装業者選びに一括見積りサイトを利用する方が増えています。
これは確かに便利です。
業者選びに関する色々な情報を手に入れられます。
業者選びを検討中の方は、一括見積りサイトを利用することは非常に有効的な手段だといえます!
しかし、問題やトラブルはその後に発生するのです!
価格最優先の結果が、、、。
外壁塗装を業者さんにお願いした場合、決して安い費用ではありません。
だからこそ、複数の業者さんから見積りを取り検討をするわけです。
しかし、複数の見積りが手元に集まると、ついつい価格が最大の選定基準になってしまうことがよくあります。
これは至極当然のことなのですが、このように価格の安さで業者さんを選んで失敗する方が多いのをご存知でしょうか?
では、『なぜ失敗してしまうのか?』を説明していきましょう。
価格(値引き)交渉が失敗の引き金になる!?
まず最初にお伝えしたいことがあります。
それは、過度な値引き要求をすると『最終的に失敗(損)をする確率が極端に高まる』ということです。
そもそも複数社から相見積りを取る目的は、
- 作業内容の比較
- 価格の比較
- 業者との相性の比較
などが挙げられます。
しかし、いざ選ぶ段階になると価格の比較を最優先してしまう方が多くなります。
さらに、『色々な理由』をつけ、『色々な作戦』を練り、値引き交渉に全力を注ぐ方も多いのが実態です。
この値引き交渉が行き過ぎると、最終的に失敗(損)につながってしまうのです。
この理由は何か?
業者さんの側に立って考えてみれば
まず、塗装業者も相見積りを取られるのは初めから承知しています。
例えば、内容が良くても価格が高いのでは相手にされない。
かと言って、内容を下げて価格を下げたのでは、これもまた相手にされません。
だからある程度の水準を保った上で、ギリギリまで価格を下げる。
基本的には、これしか方法が無いわけです。
このような背景がある中で出してくるギリギリ価格では、値引きの枠もほとんどないのが実態です。
これはある意味『適正価格』であるとも言えます。
値引き交渉の方法としては
複数の見積りを比較して、もし作業内容や使用材料が同じであれば一番安い業者さんを選ぶのも良いかもしれません。
しかし、作業内容や使用材料が明らかに違うのに『もっと値引きしろ!』というのは無理な話です。
それでも、予算の都合で『価格を下げたい』というのであれば次の3つのポイントを抑えた上で相談してみましょう。
値引き交渉『3つ』のポイント
- 『適正価格からの大幅な値引きは難しい』ことを理解した上で値引き交渉をする。
- 『価格を下げるためには工事内容(作業内容や使用材料)の変更が必要』であることを理解する。
- 『相手も仕事です!』業者さんの適正利益が減ることが何を意味するかを想像すること。
それでは『3つ』のポイントを解説していきます。
1.『適正価格からの大幅値引きは難しい』
_
基本的に優良な塗装業者さんは、適切な塗装工事を行い、適切な利益を出すことを前提に価格を調整して見積り金額を提示してきます。
_
例えば、悪徳業者とまでは行かずとも、悪賢い業者さんであれば、楽に値引き交渉を進めるために値段を上乗せして提示してきます。
_
100万円が適正価格のところを、180万円で提示してきて『決めてくれるなら』と一気に80万円を値引きするといった感じです。
_
これは『高いものが安くなった!』と喜ばせて契約を取る手法です。
_そもそも、こんなに値引き幅を設けて提示してくること自体、問題です。
_
本来最も重要である塗装の技術に自信がないため、金額面での小細工でしか戦えない業者であることを自ら暴露しているようなものです。
_
このように極端な値引きをする業者さんはNGの可能性が高いことを理解しておきましょう!

値引き交渉を行う場合は、現時点での工事内容(作業内容や使用材料)は、そもそも提示している見積り金額だからこそできる内容です。
_
つまり、値下げをするということは、当然ですが工事内容も変更しないと合わなくなります。
(参考記事:外壁塗装の費用は『塗料選び』で大きく変わる!?)
_
このことを理解せずにただ単純に価格を下げてしまうと、適切な工事ができない金額になってしまうのです。
_
例えば、自分で決めている予算が100万円だとします。
そして、提示された見積り金額が130万円だとします。
_
この場合に、自分の予算は100万円だから『何とかこの工事内容で100万円でやってください!上手いことやれば何とかなるでしょう!?』

- 下地処理の手を抜く
- シーリング(コーキング)のグレードを下げる。
- 上塗り塗料は指定のものを使うが、中塗り塗料はグレードを下げる。
- 工期短縮のために塗装の乾燥時間を待たずに次の作業を進める。
- 細部の時間のかかる作業は省略する。
- 損傷箇所など補修をせず塗料を塗り分からなくさせる。
などなど挙げたらキリがありませんが、無理な予算で無理やり作業をさせると、『こんなこと』になりかねないのです。
(参考記事:外壁塗装、『知らなかった』で損をしやすい7つのポイントとは!?)
_
もし、このような不正や手抜きをされたとしても、素人ではすぐに分かりません。
完成直後は、とてもキレイに見えるからです。
_
しかし、数年が経ち、塗装の浮きや剥がれが出て不正や手抜きが行われていたことが発覚することもあります。
_
もしかしたら、(幸運にも!?)不正や手抜きに気がつかない場合もあります。
_
いずれにしても、見積り金額と実際の工事内容には密接なつながりがあります。
それを無視して『自分だけが得をするように』と頑張り過ぎると、自分に見えないところで大きな損をすることになるかもしれません。
_
値引き交渉自体は行っても大丈夫ですが、上記の点を踏まえた上で最終的に自分が損をしないように心がけてみてください。
3.『相手も仕事です!』業者さんの適正利益が減ることが何を意味するか
_
まず目先の損得で言えば、値切られた金額内で作業をしなければならないため『細やかな、心配りや気の利いた作業』はなくなります。
_
また、前述したとおり手抜きや不正な作業が行われる場合が発生してしまいます。
_
次に、少し長い目でみた場合の損得です。
施工後、半年後や1年後、そして3年後、5年後などに定期的なアフターフォローがあります。
・塗装が傷んでいないか?
・不具合は出ていないか?
本来であれば、このアフターフォローで保証やサービスも含め対応してもらいます。
しかし無理な値引きを行い、初めから手抜きや不正作業をしたお宅へのアフターフォローは不具合や痛みが出やすいことが分かっていますから名ばかりの対応になってしまいます。
こうなると『損』です。
また、塗装をしてくれた業社さんがもし倒産していたら、保証もサービスも受けられません。
元々、手抜き工事であった場合で『運悪く短期間で塗装が浮いたり剥がれたりしたら!?』、と考えると怖いですね。
不具合が酷ければ、別の業者さんに、また塗り替えを頼むことになります。
この時に適正価格の重要性に気づいても『少し遅かった。。。』となってしまいますからね。
まとめ
無理やりな値引きはNG!
もし、あなたが有能で高い実績のある営業マンだったとしても、次のようなことはしない方がいいでしょう。
- 極端な値引きの要求
- 極端なサービスの要求
- 相見積りの業者間での値引き合戦
これらは、あなたがもし優秀な営業マンだったら勝ち取ることができる条件かもしれません。
なぜなら、業者さんは『塗装に関してはプロ』ではあっても、あなたほど交渉ごとに長けている訳ではありませんから。
でも、ここで注意しておきたいのは、優良で質の高い業者さんは『塗装のプロ』であるため、無理な予算では仕事を請け負わないということを忘れてはならないことです。
優良な業者さんほど、適正価格にこだわり、質の高い作業を行います。
最初から質を下げた手抜き工事はしたがりません。
結局、自分の『得』だけを追求していくと、結果的に質の良い優良業者さんは離れていくことになります。
感の良い方はお気付きの通りです。
最終的に損をしない方法とは、業者さんとのバランス関係をどう築くかで決まるということです。
インターネットで、よく見る
- 『相見積りで50万円も安くなった!』
- 『契約を迷っていると向こうから値引きしてきた!』
- 『値引き交渉で上手くいった!』
などなど、
ここまでお読みいただいたあなたなら、『そんなのあって当たり前!』とすぐに理解できますよね。
安くなるのは当たり前。
安くできるのも当たり前。
作業内容や使用材料が違う訳ですからね。
相見積りは、
- 作業内容に応じた適正価格かを判断する
- 業者との相性をみる
- 良い仕事をしてくれそうかを判断する
以上、値引きにとらわれない『質の高い検討』を心がけましょう!

