外壁塗装の塗料選び・・・『艶あり』vs『艶なし』編
外壁塗装の塗料選び、やっぱり気になるのが『艶あり』か『艶なし』の問題ではないでしょうか?
艶の有無や艶加減で見た目の印象がだいぶ変わって見えることから、気にすれば気にするほど迷ってしまうことも多いようです。
では、どのように選べば良いのでしょうか!?
また、見た目以外にも気にする点はあるのか?
艶の有無について迷っている方は、下記を参考に焦らず検討してみてください!
そもそも、艶の有無は自分の好みで選ぶのではダメなの!?
塗料の『艶』は、基本的に自分の好みで選んで問題ありません!
実際にはこれが結論です。
例えば、塗料そのものの性能は、フッ素系塗料や無機系塗料など、各塗料のグレードに依存することになります。
艶加減は塗料性能のことは考えず、あなたが選んだ外壁色を、どのような印象で見せたいのか?
このことだけを考えれば良いのです。
『艶』は、艶の有無や艶加減を選ぶことで、自分の好みに雰囲気を表現することができるのです。
外壁塗装の艶加減は5段階!
外壁塗装の艶加減は、一般的に次の5段階に分けられます。
👉 艶加減の5段階
- 艶あり … 光の反射率 70%以上
- 7分艶 … 光の反射率 55〜65%
- 5分艶 … 光の反射率 30〜40%
- 3分艶 … 光の反射率 10〜20%
- 艶なし … 光の反射率 5%以下
※ 塗料によっては『艶あり』・『艶なし』の設定がないものもあります。
また、5段階全ての艶設定がない塗料もあります。
艶加減の選び方は?
気になる艶加減の選び方はどうすれば良いのでしょう。
艶を希望するお客さんに、塗装業者さんは『3分艶』か『5分艶』を薦めることが多いようです。
これはなぜでしょうか?
実は、塗装直後は良いのですが、3年、5年と時間が経過する中で、塗料性能の問題とは別に、艶加減が少しずつ劣化し艶感が薄れてくることを想定しているからなのです。
そのため、適度な艶感を持つ『3分艶』や『5分艶』であれば、『艶あり』や『7分艶』に比べて経年劣化による艶感の薄れも気づきにくく、適度な艶感の満足度も持続できることを知っているから勧めやすくなるのです。
逆を言えば、経年劣化による艶感の薄れを気にする方には、『艶なし』を勧めることになります。
『艶なし』は、塗装直後から艶感を極力省いているため、経年劣化による艶感の薄れを意識せずに済むからです。
艶加減による性能の違いはあるの?
艶加減による性能の違いとして、耐用年数の問題を挙げることもあります。
艶加減が高い方が、塗装面がより滑らかになることから汚れが付きにくくなると考えられます。
その結果、汚れの付着が少なくなる分、塗装の耐用年数が伸びるという訳です。
しかし、塗装の耐用年数を心配する場合には、艶加減で対処するよりも、塗料自体の性能を考慮した塗料グレード選定の方が圧倒的な効果を期待できます。
『艶あり』塗料のメリット&デメリット
メリット
👉 『艶あり』塗料のメリット
- 汚れが付きにくくなる分、耐用年数が伸びる。
- 汚れが落ちやすい。
- 新築時を連想させる艶感を得ることができる。
- メーカーの取り扱いも多く、種類が豊富にある。
デメリット
- 艶感は数年程度で薄れていくこと。
- 色と艶加減によっては、安っぽく見える場合もあること。
- 立地条件などの日当たり加減により、艶感の印象が大きく異なる。
『艶なし』塗料のメリット&デメリット
メリット
👉 『艶なし』塗料のメリット
- 塗料自体の耐用年数まで、風合いの変化が少なく安定していること。
- マット感が、高級感を引き立てること。
- 派手になり過ぎず、落ち着いた印象を得ることができる。
デメリット
- メーカーでの取り扱いが、『艶あり』塗料に比べ少ないこと。
- 色の種類が、『艶あり』塗料に比べ少ないこと。
- 日当たりの悪い場所では、やや暗めの印象になること。
お好みの『艶』調整もできます。しかし、ご注意を!
艶消しの基になる『フラットベース』という艶消し調整剤があります。
このフラットベースを『艶あり』塗料に混ぜることで、お好みの艶加減にすることができます。
実際に塗装工事を行う際に、現場で好みの艶調整を行うことができるため非常に融通のきくところが最大のメリットになります。
しかし、フラットベースを混ぜ合わせる艶調整にはデメリットもあります。
それは、艶あり塗料とフラットベースを混ぜる際に十分な撹拌(かくはん)が難しい点が挙げられます。
更に、気温や湿度による撹拌状況の違いも出やすくなります。
この撹拌作業によって、十分な条件で撹拌が行われていないと塗装後の仕上がりにも影響が出てしまいます。
その他、仕上げ塗装が完了したあとに、タッチアップ(補修塗装)をする際にも、同じ条件の塗料を再作成するのに苦労することも考えられます。
艶調整は、塗装を行う職人の技量に大きく依存することになることも理解しておく必要があります。
以上のことから、艶加減に対して特に強いこだわりがなければ、塗料メーカーで徹底管理のもとに製造された『3分艶』『5分艶』『7分艶』の既成塗料から選ぶ方が安心感・安定感が高いのが実際のところになります。
余談ですが、2種類以上の塗料を混ぜ合わせて行う『色調整』もありますが、上記と同じ理由で注意が必要となります。
まとめ
艶加減を決める際は、フラットベースを利用した艶調整は依頼せずに、メーカー既成塗料の『艶なし』『3分艶』『5分艶』『7分艶』『艶あり』から選択することがおすすめとなります。
また、艶加減は自分の好みで選んで問題ありません。
塗料の機能や性能が気になる場合は、艶加減ではなく、塗料自体のグレード選びにポイントを置くことが重要となります。
艶は、塗料色や、塗装面の材質、家の形(例:和風や洋風)などにより見栄えが大きく変わります。
艶はあった方が良いけど派手になり過ぎては困ると言う場合で、どうしたら良いか迷っている場合には、『3分艶』か『5分艶』を選んでおくとイメージから外れることが少なくなると思います。

